荒天・海上・屋外の中止基準と運用:判断者、時刻、不可抗力の限界、費用の分担、代替プラン

屋外や海上の催しでは、荒天時の中止を「基準・判断者・時刻・告知・費用」の一組で決めておかないと、当日になって誰も決められません。気象庁の警報への結び付け方、不可抗力の書き方の限界、事業者間の費用の分け方、代替プランと再告知を整理します。

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自社の中止決定を「警報」と呼んで参加者に流すと、気象庁以外の者による警報の発表と受け取られかねません。気象業務法は、気象庁以外の者が警報をすることを制限しています。

このページの要点

  • 中止の基準は、気象庁の発表と現場で測る値、会場の状態に結び付け、縮小・一部中止・繰り下げ・全面中止の段階を設けて判断を早める。
  • 判断者と代行者、判断の時刻、連絡の手段と順番、記録の残し方を、運用表として契約書の別紙にまとめる。
  • 「不可抗力」の語に頼らず、基準・判断者・時期別の費用の分担をつなげて書く。警報が事前に発表される荒天は、予見できたと評価されやすい。
  • 海上や上空では運航事業者の基準・航空法の規律が優先する。承認や許可の確認を誰が行うかを契約で決めておく。

結論:荒天の中止は「基準・判断者・時刻・告知・費用」を一組で決める

屋外や海上で行う催しでは、雨や風、雷、波、高温、視界不良のために、予定どおり行えない場面が出てきやすくなります。契約書に「荒天の場合は中止することがある」と一行書いてあるだけでは、いざその日になって、誰が、いつ、何を基準に中止を決めるのか、決めた後に誰にどう伝えるのか、準備にかかった費用は誰が負担するのかが決まりません。中止の条項は、次の五つを一組で決めてはじめて機能します。

  • 基準:中止や縮小の判断を、気象庁が発表する警報・注意報や、現場で測れる風・波・視程などの客観的な指標に結び付ける。
  • 判断者:誰が最終的に中止を決めるのかを一人(または役職)に決め、その人が連絡できない場合の代行者も決める。
  • 時刻:前日、当日の朝、開始前、開催中の段階ごとに、いつの時点で何を確認して判断するかを決める。
  • 告知:参加者、出店者、会場、手配先、運営スタッフへ、どの手段で、どの順番で知らせるかを決める。再告知(変更や撤回)の手段も含める。
  • 費用:中止や縮小の決定が早いほど準備費用は小さく、遅いほど大きくなる前提で、時期別に費用の分け方を決める。

参加者向けの取消料や返金の細目は、習い事・教室・イベントの規約を扱う別のガイドで詳しく説明しています。このページは、主催者、運営会社、会場、出店者、手配先といった事業者のあいだで、荒天のときの運用と費用の分担をどう書くかに絞ります。事業者間のキャンセル料の区分の考え方は事業者間のキャンセル料のページ、中止後の精算の順番はイベントがうまくいかなかったときのページで扱います。

中止の基準を客観的な指標に結び付ける

荒天の基準が曖昧だと、主催者は「まだできる」と考え、出店者や手配先は「もう危険だ」と考え、判断の遅れが事故にも費用の争いにもなります。基準は、第三者が見ても同じ結論になる指標に結び付けるほど、争いが減ります。

気象について公的に発表される予報と警報は、気象業務法が制度を定めています。同法13条1項は、気象庁が、政令の定めるところにより、気象、地象、津波、高潮、波浪及び洪水についての一般の利用に適合する予報及び警報をしなければならないと定め、3項は、気象庁が予報事項及び警報事項の周知の措置を執るとともに、報道機関の協力を求めて公衆に周知させるよう努める、としています。一方で、気象庁以外の者が予報の業務を行おうとする場合は気象庁長官の許可が必要であり(17条1項)、さらに、気象庁以外の者は、気象、地象、津波、高潮、波浪及び洪水の警報をしてはならないとされています(23条。政令で定める場合を除く)。

この法律の仕組みから、主催者側の書き方に実務上の注意が出てきます。まず、中止の基準には、気象庁が発表する警報・注意報の種別や、気象庁の発表する情報を使うのが自然です。他方、主催者や運営会社が、自社の判断を「警報」という名前で参加者に流すと、気象庁以外の者による警報の発表と受け取られかねません。自社の決定は「運営判断による中止」「当日の安全確保のための措置」と表し、「警報」の語は気象庁が発表したものを指す場面に限って使うようにすると、混同を避けられます。

中止・縮小の基準の組み立て方(一般的な例)

種類基準の置き方書き方のポイント
公的な情報に結び付ける会場のある地域に気象庁の警報が発表されたとき、または発表が予想されるとき「警報」の語は気象庁の発表を指すことを明記し、確認する情報源(気象庁の発表)を契約書に示す
現場で測る値に結び付ける風速・波の高さ・視程・雷の接近など、運営が定める基準値を超えたとき数値は運営の基準書に置き、契約には「別紙の基準による」と書く。測る人と測る場所、測る時刻も決める
状態に結び付ける会場の冠水、足場のぬかるみ、設備の損傷、避難経路の確保不能などが生じたとき誰が現場で確認し、写真や記録をどう残すかを決める
段階を分ける「縮小」「一部中止」「時間の繰り下げ」「全面中止」の段階を設けるいきなり全面中止にしない段階を用意すると、中止の判断が早くなり、準備費用の損失も抑えられる

暑さについては、官公庁が公表している暑さ指数や熱中症の注意喚起の情報があります。屋外で長時間行う催しでは、これらの情報を確認する手順と、一定の水準に達したときに休憩の追加、開始時刻の変更、縮小や中止を行う、という基準を置くことが考えられます。

判断者と判断時刻:段階を追って決める

中止の決定は、早ければ早いほど関係者の損失が小さくなります。しかし、早すぎる決定は、結果的に天候が持ち直したときの機会損失や、参加者の不満につながります。そこで、一度に「中止か開催か」を決めるのではなく、時間の流れに沿って確認点を置き、段階的に絞り込んでいく運用が一般的です。

判断の流れ(書き方の例・一般的な例)

  1. 前日の定めた時刻
    第一次の確認気象庁の予報と警報の発表状況を確認し、中止や縮小の可能性があれば、関係者へ予告する。この時点では中止を確定せず、準備の進め方を決める。
  2. 当日の朝
    第二次の確認と判断現地の状況と最新の発表を確認し、実施・縮小・順延・中止のいずれかを決め、定めた手段で全員に連絡する。
  3. 開始前
    現場での直前の確認現場責任者が、基準値や会場の状態を確認し、開始してよいかを判断する。基準に達していれば開始を見送る権限を明確にする。
  4. 開催中
    中断・避難の判断雷の接近、突風、気象庁の新たな発表などがあれば、現場責任者の判断で中断し、定めた避難場所へ誘導する。再開の条件も決めておく。
  5. 終了後
    記録の保存判断の根拠となった発表、測定値、連絡の時刻、決定者を記録に残す。後日の精算や紛争の際の資料になる。

各段階の判断者と代行者、連絡の手段と順番は、行程表と別に「中止判断の運用表」として契約書の別紙に添えておくと、現場で迷いません。

運営を外部の会社に委託している場合は、判断者を主催者に置くのか運営会社に置くのか、運営会社が安全上の理由で中断した場合に主催者の承諾を待たずに行えるのかを、委託契約に書いておく必要があります。運営委託契約書での位置づけは運営委託契約書のページで整理しています。現場の安全に関わる即時の判断は、現場責任者に委ね、事後に報告させる設計が、事故の防止と責任の明確化の両方に役立ちます。

不可抗力の書き方と、「予見不能かつ不可避」の限界

荒天による中止の条項では、「天災地変などの不可抗力により開催できないときは、責任を負わない」という書き方がよく使われます。この不可抗力という言葉の意味は、契約書ごとに定義がなければ、解釈に争いが生じます。一般に、不可抗力とは、当事者の支配を超え、予見できず、かつ避けることができない事由を指す、と説明されます。しかし、荒天は、予報や警報が事前に発表される事象であり、事前に予見できるのが普通です。「予見不能かつ不可避」という要件を満たすかどうかは、少なくとも発表済みの警報を前提とする限り、厳しく判断される可能性があります。

民法415条1項は、債務不履行による損害賠償について、債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは責任を負わない、と定めています。つまり、免責の可否は、不可抗力という言葉があるかどうかではなく、その事由が債務者の責めに帰することができない事由と評価できるか、という判断になります。契約書で不可抗力を列挙しても、それで責任の有無が自動的に決まるわけではありません。

書き方の例(一般的な例) 不可抗力・荒天の条項

荒天による中止の免責

よくある書き方天候不良その他の不可抗力により開催できなかった場合、当社は一切の責任を負わない。
整えた書き方別紙に定める基準に該当する荒天により、安全な開催が困難であると運営責任者が判断して中止または縮小したときは、当社は、中止または縮小の決定までに合意した準備費用の分担に従い、それ以外の責任を負わない。

理由「不可抗力」の名前に頼らず、基準・判断者・費用の分担をつなげて書くと、免責の根拠が説明しやすい。

不可抗力の定義

よくある書き方不可抗力とは、天災地変その他当事者の責めに帰さない事由をいう。
整えた書き方不可抗力とは、天災地変その他の当事者の合理的な支配を超える事由で、当事者が通常の注意をもっても予見または回避することができないものをいう。気象庁が事前に警報を発表した荒天による中止は、不可抗力として扱わず、別紙の判断基準と、中止の時期に応じた費用の分担の定めによる。

理由予見できる荒天は不可抗力の枠に入れず、基準を使った判断と時期別の費用の分担で整理し、「予見できたのに準備した」という争いを減らす。

解除権

よくある書き方不可抗力が継続した場合、当事者は契約を解除できる。
整えた書き方不可抗力により履行できない状態が、あらかじめ定めた期間続いたときは、相手方に書面で通知して契約を解除することができる。解除の場合、すでに提供された役務の対価と、実費の精算については、別に定める。

理由民法には、債務者の責めに帰することができない事由の場合の扱い(危険負担)の規定があるが、契約で期間と精算を定めるほうが実態に合う。

中止・縮小の費用の分け方:時期別に、事業者間で決める

荒天によって催しが行えなくなったとき、費用の問題は二つに分かれます。一つは、会場の使用料、運営スタッフの人件費、出店者の出店料、手配先への手配料といった、すでに発生した費用や、契約上払うべき対価の扱い。もう一つは、中止になったことで、事業者のあいだで契約の履行ができなくなった場合の、対価の支払いの有無です。

民法536条1項は、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができる、とし、同条2項は、債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができない、としています。たとえば、会場が荒天のために使用できなくなった場合、使用料を支払うべきかどうかは、会場を使えなくなった原因が、会場の管理者側にあるのか、主催者側にあるのか、どちらにもないのかによって、民法の原則では結論が分かれます。ここは契約で任意に定めることができる部分で、荒天による中止の場合に、使用料をどう扱うかを、あらかじめ書いておくのが実務です。

荒天による中止・縮小で、費用の扱いを決めておく相手(一般的な例)

  • 会場の使用料

    主催者と会場の管理者

    会場側の判断で使用できない場合と、主催者が安全のために自ら中止する場合を分け、使用料の負担と返金の割合を決める。

  • 出店料・参加料

    主催者と出店者

    中止の決定時期に応じて、返金・一部返金・次回への繰り越しのどれを採るかを決める。

  • 手配先への対価

    募集した側と手配先

    手配の完了後に中止となった場合の、実費と手配料の扱いを、決定の時期別に決める。

  • 運営費用

    主催者と運営会社

    準備作業の完了までに発生した費用を、中止決定までの実績に応じて精算する。

  • 保険の対象

    主催者・保険会社

    荒天による中止を補償する保険の有無と、補償の対象外となる費用を確かめる。

参加者への返金は、各契約の精算とは別に、参加者向けの規約で定めます。中止の決定が主催者の判断である場合と、気象庁の警報などの外的な事由による場合とで、返金の範囲を分けて書くのが一般的です。

対消費者の返金の定めは、消費者契約法の規律を受けます。同法9条1項1号は、消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、または違約金を定める条項について、当該条項に設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、同種の消費者契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分を無効としています。事業者間の契約には直接は適用されませんが、中止の決定時期別に費用の区分を設ける考え方は、同じ構造で説明できます。保険でどこまで補えるかは保険と賠償のページで扱います。

代替プランと再告知:選べない場合の費用まで決める

荒天のために予定どおりに行えないとき、中止にするだけでなく、順延、会場の変更(屋内への切替)、内容の縮小、短縮、オンラインへの切替といった代替の選択肢を用意しておくと、参加者の不満と準備費用の損失の両方を減らせます。契約書には、代替プランの内容、決定の手順、参加者や出店者が代替プランを選べない場合の費用の取扱いを書いておきます。

条文例代替プランの定め(書き方の例・一般的な例)

  1. 運営責任者は、荒天により当初の計画どおりの開催が困難であると判断したときは、別紙に定める順序で、順延、会場の変更、内容の縮小または中止のいずれかを決定する。
  2. 前項の決定は、決定後すみやかに、別紙の連絡表に定める手段および順番により、参加者、出店者、会場の管理者および手配先に通知する。通知の内容には、決定の理由と、代替プランへの参加の可否の回答期限を含める。
  3. 代替プランに参加できない者は、前項の回答期限までに申し出るものとし、申出があった場合の費用の扱いは別表のとおりとする。申出がない場合は、代替プランへの参加を承諾したものとみなす。
  4. 決定を変更または撤回するときは、前二項に準じて、変更後の内容を速やかに通知する。

「申出がない場合は承諾したものとみなす」と書く場合は、参加者に対して、回答の期限と手段をわかりやすく示しておく必要があります。

条文例出店者との覚書に置く荒天の定め(書き方の例・一般的な例)

  1. 主催者は、別紙に定める基準により荒天のため安全な開催が困難と判断したときは、催事の全部または一部を中止し、または開始時刻を繰り下げることができる。
  2. 前項の中止の決定が、搬入の開始前に行われたときは、主催者は、受領した出店料を、出店者に返還する。搬入の開始後に行われたときは、出店料のうち、別表に定める割合の額を返還する。
  3. 前項の返還のほか、出店者が負担した仕入れ、人件費その他の費用について、主催者は責任を負わない。ただし、主催者の故意または重大な過失により中止が生じたときは、この限りでない。
  4. 主催者は、中止、繰り下げまたは縮小の決定をしたときは、出店者に対し、別紙の連絡表に定める手段により、速やかに通知する。出店者は、通知を受けた後は、主催者の指示に従い、安全な撤収を行う。

搬入の前後、開始の前後など、決定の時期で区分を分けておくと、出店者が負担した準備費用の大きさと返還の割合を結び付けて説明できます。割合は別表に置き、条文には書き込みません。

再告知の手段は、最初の連絡と同じ手段で行うのが基本です。メール、アプリの通知、公式サイトの掲示、会場での掲示など、複数の手段を併用する場合は、どの手段が正式な通知であるかを決めておきます。通知が遅れたり、手段が分かれて内容が食い違ったりすると、参加者が会場まで来てしまい、現地で苦情と事故の原因になります。

海上や上空など、特則が要る場面

船の上や海辺、空から撮影する催しなどでは、一般の荒天の基準に加えて、その分野に特有の基準や法令が関わります。契約書には、これらの特則を一般の中止条項と別に置き、運航や運用を行う事業者の基準が優先する旨を書きます。

無人航空機を使う場合は、航空法の規律があります。同法132条の85第1項は、飛行の禁止空域として、航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域や、人または家屋の密集している地域の上空などを定め、同条の規定に従わなければ飛行させてはならないとしています。また、132条の86第2項は、一定の場合を除き、日出から日没までの間に飛行させること、目視により常時監視すること、祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させることなどを、飛行の方法として定めています。これらの方法によらずに飛行させる場合は、同条3項により、国土交通大臣の承認を受けることが必要です。催しの会場の上空で無人機を飛ばす場合は、主催者・運営会社・操縦者のうち誰が承認や許可の確認をするのかを、契約で決めておく必要があります。

船については、運航する事業者の運航基準や中止の基準に従うのが基本となるため、主催者側の契約では、運航事業者の判断が優先すること、運航事業者の中止の判断による費用の分け方を、荒天の条項で受け止める形にします。具体的な基準は、事業者ごと、海域ごとに異なるため、契約書に数値を書かず、運航事業者の基準による旨を書くのが安全です。

起きがちなこと:荒天の運用でつまずきやすい場面

起きがちなこと(一般的な例)

  • 契約書に「荒天の場合は中止」とだけ書いてあり、誰が決めるのかが決まっていなかったため、前日の夕方になっても結論が出なかった。
  • 主催者の中止の連絡を「警報」と呼んだため、参加者が気象庁の発表と受け取り、後日の説明が食い違った。
  • 会場の使用料を、荒天による中止の場合にどう扱うかを書いておらず、会場側と主催者側の主張が分かれた。
  • 連絡の手段がまちまちで、出店者には中止が伝わったが、手配先には届かず、車両が会場まで来てしまった。
  • 不可抗力を理由に免責を主張したところ、事前に警報が発表されていたことを指摘され、「予見できた」と反論された。
  • 無人機での撮影を前提に契約したが、多数の者が集まる場所の上空であることの確認を誰が行うか決まっておらず、当日になって実施できなくなった。

荒天の運用は、契約書の文言よりも、現場の判断者が基準を読んで動けるかどうかで決まります。契約書には骨格を書き、数値や連絡表は別紙にまとめて、年ごとの見直しをしやすい形にしておくと、運用が続きます。開催前の許可や届出の責任分担は会場・道路・飲食の確認事項のページで扱っています。

よくあるご質問

荒天で中止にするとき、「警報」という言葉を使ってよいですか。

気象業務法23条は、気象庁以外の者が気象、地象、津波、高潮、波浪及び洪水の警報をしてはならないと定めています(政令で定める場合を除く)。主催者や運営会社の決定は、運営判断による中止や安全確保のための措置と表し、「警報」は気象庁が発表したものを指す場面に限って使うと、混同を避けられます。

不可抗力と書いておけば、荒天のときの費用は払わなくてよいですか。

そうとは限りません。民法415条1項は、債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときに責任を負わないと定めていて、不可抗力の言葉があるかどうかではなく、事由の評価で決まります。荒天は、警報が事前に発表されるなど予見できる場合が多いため、基準・判断者・時期別の費用の分担を契約に書いておくほうが、争いを減らせます。

中止を決める人は、主催者と運営会社のどちらにしておくべきですか。

一概には決まりません。一般には、最終的な決定権を主催者に置き、現場の安全に関わる即時の中断・避難の判断は、現場責任者(運営会社を含む)に委ねる二段構えが多く見られます。いずれの場合も、判断者と代行者、連絡の手段と順番を契約書の別紙に書き、判断の根拠を記録に残す手順を決めておきます。

会場の使用料は、荒天で使えなかったときも支払うのですか。

民法536条の原則では、使えなくなった原因が誰の責めに帰すべきものかで結論が分かれます。会場の管理者の判断で使用できない場合と、主催者の安全判断による中止の場合とで、使用料の負担と返金の割合を分けて契約に書いておくのが実務です。中止の決定の時期によって区分を設けると、準備費用との関係も説明しやすくなります。

催しの会場の上空で無人機を飛ばしたいときは、何に気をつければよいですか。

航空法132条の85は一定の空域での飛行を原則として制限しており、132条の86第2項は、多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外で飛行させることなどを、飛行の方法として定めています。この方法によらずに飛行させる場合は、同条3項により国土交通大臣の承認が必要です。契約では、承認や許可の確認を行う者、中止の基準、不測の事態の扱いを決めておきます。

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