このページの要点
- 主催者賠償、参加者の傷害、出店者の賠償責任、運営会社の業務に備える保険は、対象も受取人も別々。誰がどの保険にどの範囲で入るかを契約で決める。
- 保険の外側の責任は契約と民法で決まる。「保険の範囲で賠償」と書くだけでなく、保険金が出ない部分、上限を超える部分を誰が負担するかを書く。
- 賠償額の上限を置くときは、故意・重大な過失と人の生命・身体の侵害を例外にする。消費者との契約では消費者契約法8条の無効類型に注意する。
- 事故の通知(保険法14条)、示談の前の保険会社への連絡、記録の保存と報告の様式を決め、参加者への加入案内は案内の事実と確認を残す。
結論:保険は責任を消さない。保険で足りる部分と足りない部分を、契約で割り振る
イベントでの事故に備える保険は、主催者賠償責任に対応するもの、参加者のけがに対応するもの、出店者の提供する飲食物などに対応するもの、運営会社自身の業務に対応するものなど、目的と対象が別々です。保険に入っていることは、事故が起きたときの安心材料にはなりますが、契約上の責任を消すものではありません。保険金が支払われる範囲は保険契約の内容で決まり、約款に定める免責の事由や、支払われる金額の上限、自己負担額(免責金額)の範囲外は、保険で足りません。
契約書の側で決めておくべきことは、次の五つに整理できます。
- 誰が、どの種類の保険に、どの範囲・金額で加入するのかを、当事者ごとに決める。
- 保険に入っていない場合、または保険金で足りない場合の責任を、誰がどこまで負うのかを書く。
- 賠償額の上限を置くときは、故意・重大な過失のある場合を例外にする。
- 参加者に傷害保険の加入を案内する場合は、案内の範囲と、加入しなかった場合の損害の扱いを分けて書く。
- 事故が起きたとき、誰が保険会社へ通知し、どの記録を誰が保存するのかを決める。
このページは、保険の種類ごとの役割と、契約書に書く条項の組み立てを説明します。個別の保険商品の選び方や保険金の請求手続は扱いません。中止の運用との関係は荒天・屋外の中止のページ、運営会社への委託契約での位置づけは運営委託契約書のページ、事故後の片付けの順番はイベントがうまくいかなかったときのページで扱います。
保険の種類ごとの役割:誰の、何の損害に備えるものか
保険の名前や補償の細部は、保険会社や商品によって異なります。以下は、イベントの現場で一般に検討される種類を、役割の違いに着目して整理したものです。実際の加入にあたっては、保険証券や約款で、対象となる事故、対象外の事由、支払われる金額の上限、免責金額を確かめてください。
イベントで検討される保険の種類と役割(一般的な整理)
| 種類 | 主な加入者 | 備える損害 | 契約書で確認すること |
|---|---|---|---|
| 主催者の賠償責任に備える保険 | 主催者 | 来場者や第三者にけがをさせた、物を壊したなど、主催者が法律上の賠償責任を負う場合の損害 | 補償の対象となる催しの範囲、会場の設備に起因する事故の扱い、受託者(運営会社)が起こした事故の扱い、免責金額 |
| 参加者の傷害に備える保険 | 参加者本人、または主催者が団体で加入 | 参加中のけがによる死亡・後遺障害・入院・通院などの損害。主催者の責任の有無にかかわらず支払われる設計が一般的 | 対象となる期間(往復の移動を含むか)、競技や体験の種類による対象外、保険金の受取人 |
| 出店者の提供する物に備える保険 | 出店者 | 提供した飲食物や商品の欠陥により、他人の生命、身体または財産に損害を与えた場合の賠償 | 対象となる商品、食中毒やアレルギー事故の扱い、会場での調理や火気の使用の扱い |
| 運営会社の業務に備える保険 | 運営会社 | 運営業務の遂行中に生じた事故による賠償、受託した物の損壊など | 委託契約で求める加入の範囲、主催者を追加の被保険者とするか |
| 催しの中止に備える保険 | 主催者 | 荒天や不測の事態で催しが中止になった場合の、準備にかかった費用の損失 | 対象となる事由(天候、感染症など)、対象となる費用の範囲、免責の条件 |
保険の加入だけでなく、保険がいつからいつまでの、どの行為を対象にしているかも確かめます。会場の設営、リハーサル、撤去の作業が対象に含まれているか、準備期間中の事故は別の保険で扱われるのか、運営スタッフやボランティアの事故は誰の保険で補償されるのか、といった点です。催しの本番だけを前提にした保険では、設営中の転落や機材の落下による事故が対象外となることがあります。契約書には、保険の対象となる期間と行為の範囲を、設営から撤去まで含める旨と、保険証券の写しを提出する時期を書いておきます。
運営会社に運営を委託する場合は、運営会社自身の賠償責任保険への加入を求めるだけでなく、主催者を追加の被保険者とする、あるいは主催者に対する賠償責任も補償の対象にする、といった条件を付けられるかを確かめます。運営会社が保険に入っていても、主催者に対する賠償は対象外という内容では、主催者が結局自己の保険や資金で対応することになるからです。保険の細部は商品によって異なるため、条件の確認は保険証券と約款を手元に置いて行います。
参加者の傷害保険は、主催者に責任があるかどうかにかかわらず保険金が支払われるのが一般的です。このため、事故が起きたとき、被害を受けた参加者にとっては、傷害保険から早く保険金を受け取れる一方、それで主催者に対する損害賠償の請求が当然になくなるわけではありません。保険金と損害賠償の関係(保険金を差し引くのか、どちらを先に請求するのか)は、保険の種類と約款、契約書の定めによって異なるため、募集要項や規約には、保険金が支払われても主催者の責任が否定されるものではない旨や、重複する部分の調整の考え方を、必要に応じて書いておきます。
出店者の提供する飲食物については、製造物責任法の理解も役立ちます。同法2条1項は「製造物」を製造または加工された動産と定め、3条は、製造業者等が、その製造、加工、輸入または氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体または財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる、と定めています。加工された飲食物は、一般に製造物にあたり得ます。出店者がこの責任を負う可能性がある以上、出店者に賠償責任の保険への加入を求める条項は、主催者にとっても有用です。
責任保険と法律の関係:被害者保護と、保険が支払われない場面
賠償責任を補償する保険(責任保険)については、保険法に基本的な定めがあります。保険法17条1項は、保険者は、保険契約者または被保険者の故意または重大な過失によって生じた損害をてん補する責任を負わない、としつつ、同条2項は、責任保険契約(損害保険契約のうち、被保険者が損害賠償の責任を負うことによって生ずることのある損害をてん補するもの)については、同項中の「故意又は重大な過失」を「故意」と読み替える、としています。つまり、法律の定めの上では、責任保険について保険者が当然に免責されるのは故意の場合であり、重大な過失があっても直ちに免責されるわけではありません。ただし、実際に保険金が支払われるかどうかは、約款に定める免責の事由や、法律の趣旨に反しない範囲での契約条件など、個別の保険契約の内容を確認する必要があります。
被害者の保護の仕組みとして、同法22条1項は、責任保険契約の被保険者に対して当該責任保険契約の保険事故に係る損害賠償請求権を有する者は、保険給付を請求する権利について先取特権を有する、と定めています。被害者が、加害者である被保険者が受け取る保険金から優先して賠償を受けられるようにする規定です。また同条2項は、被保険者は、損害賠償請求権に係る債務について弁済をした金額または損害賠償請求権を有する者の承諾があった金額の限度においてのみ、保険者に対して保険給付を請求する権利を行使できる、としています。示談の進め方にも関わる規定です。加えて、責任保険の約款には、保険会社の同意なく示談や賠償金の支払をした場合に保険金を支払わないとする定めが置かれていることが多く、保険会社の関与なく示談を成立させてしまうと、保険金が支払われなくなるおそれがあります(約款の確認が必要です)。事故の対応を契約書に書く際は、保険会社への事前の連絡と承諾を要することを、運営会社や出店者との契約にも置いておきます。
保険法14条は、保険契約者または被保険者は、保険事故による損害が生じたことを知ったときは、遅滞なく、保険者に対し、その旨の通知を発しなければならない、と定めています。事故の通知が遅れると、保険金の請求に支障が出るおそれがあります。この通知を誰が行うのかを、主催者、運営会社、出店者、会場のあいだで決めておくことが、実務上の重要な準備です。
保険がない場合・足りない場合の責任の書き方
保険に入っていない事業者、保険の対象外の事故、保険金の上限を超える損害が出たとき、最終的な責任の所在は、契約の定めと、民法の原則で決まります。民法715条1項は、ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う、ただし使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき等はこの限りでない、と定めています。民法717条1項は、土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者が被害者に対して損害賠償責任を負い、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは所有者が損害を賠償しなければならない、としています。仮設のステージや看板、テントなどの設備が人にけがをさせた場合に、この規定が関わる可能性があります。
書き方の例(一般的な例) 保険と責任の分担の条項
保険の加入義務
理由「必要な保険」では、何に、どの範囲で入るのかが決まらない。対象と書面の提出時期を書くと、確認が実行できる。
保険で足りない部分
理由保険の範囲だけを賠償の上限にすると、故意や重大な過失がある場合に問題になる。保険の外側の責任を別に書く。
保険会社との手続
理由保険法22条2項は被保険者が保険給付を請求できる範囲を弁済した額などに限っており、約款にも示談の事前承諾を求める定めが多い。保険会社の承諾を要する手順を書く。
賠償額の上限と、故意・重大な過失の例外
運営会社や出店者との契約で、賠償額に上限を置く条項は一般に見られます。上限の置き方は、保険金額に連動させる方法、受領した対価の一定割合や一定の倍数とする方法、定額とする方法などがあります。上限を置くかどうかや、どの水準にするかは、当事者の交渉力、取引の規模、保険の加入状況によって決まります。
事業者間の契約では、当事者が自由に上限を決められる余地が比較的広いものの、故意または重大な過失による損害まで上限を適用するとした条項は、一方当事者の利益を一方的に害するものとして、有効性が争われる余地があります。また、人の生命または身体の侵害による損害については、上限の対象から外すのが一般的です。参加者(消費者)との契約では、消費者契約法8条1項が、事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項や、事業者の故意または重大な過失による責任の一部を免除する条項を無効としているため(1号・2号)、上限を置く場合も、故意・重大な過失の場合は上限を適用しないと明記するのが基本です。
条文例賠償額の上限の定め(書き方の例・一般的な例)
- 本契約に関して、当事者の一方が相手方に対して負う損害賠償の額は、現実に生じた直接かつ通常の損害に限り、別に定める上限額を超えないものとする。
- 前項の上限額は、本契約に基づき当該損害の原因となった行為に関して支払われた対価の額、または当該損害について保険により支払われた保険金の額のうち、いずれか高い額とする。
- 前二項の定めは、損害が、賠償責任を負う当事者の故意または重大な過失によって生じた場合、または人の生命もしくは身体の侵害による場合には、適用しない。
- 第三項の場合を除き、逸失利益、間接損害および特別の事情によって生じた損害は、賠償の範囲に含まれない。ただし、賠償責任を負う当事者が、当該損害の発生を予見していたときは、この限りでない。
上限額を保険金額や受領した対価に連動させると、金額を条文に書き込まずに済み、取引の規模が変わっても条文を直す必要がありません。
人の生命または身体を害した場合の損害賠償請求権の消滅時効は、債務不履行については、権利を行使することができる時から二十年(民法167条による民法166条1項2号の読み替え)、不法行為については、被害者またはその法定代理人が損害及び加害者を知った時から五年(民法724条の2による読み替え)とされています。事故の記録や契約書の保存期間を決めるときは、これらの時効の長さも目安にします。
参加者への保険の案内と、加入しなかった場合の損害
参加者に傷害保険の加入を求めるのか、案内するにとどめるのか、主催者が団体で加入して費用を参加費に含めるのかは、催しの性質によって異なります。体験の危険度が高い催しや、遠方への団体での参加では、加入を参加の条件にしたり、主催者が団体で加入したりする設計が検討されます。他方、加入を条件にしない場合でも、加入を案内した事実と、参加者がその案内を確認した記録を残しておくことは、後の紛争の予防につながります。
加入しなかった参加者がけがをし、保険金が受け取れなかった場合に、その不利益を参加者自身が負うのか、主催者に責任が及ぶのかは、主催者に事故の原因となる過失があったかどうか、加入の案内を十分にしていたかどうかによります。民法418条は、債務の不履行またはこれによる損害の発生もしくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所がこれを考慮して損害賠償の責任及びその額を定める、と定め、同法722条2項は、不法行為について、被害者に過失があったときは裁判所がこれを考慮して損害賠償の額を定めることができる、としています。保険に加入しなかったこと自体が過失相殺の対象になるかどうかは、個別の事案によるため、契約書では「加入しなかったことで主催者の責任が当然に軽減される」とは書かず、案内の事実と本人の確認を残す運用を基本にします。
確認の問いと理由参加者の保険について、募集要項に書く前に確かめておきたいこと
加入を条件にするのか、案内にとどめるのか
加入を条件にするなら、証明の提出時期、未加入の場合の参加の可否、返金の扱いまで決める必要があります。案内にとどめるなら、案内の方法と、参加者が内容を確認した記録の残し方を決めます。
団体で加入する場合、費用は誰が負担するのか
参加費に含めるのか、別に徴収するのかを明示します。保険金の受取人と、主催者が加入する保険の対象となる事故の範囲も、参加者に説明します。
保険が支払われる事故と、支払われない事故を説明しているか
競技の種類や体験の内容によって、保険の対象外となる場合があります。対象外の事故は、参加者自身の保険や自己責任の範囲となる旨を、事前に伝えます。
保険金が支払われても、主催者への請求ができなくなるわけではないことを書いているか
保険金の支払いと損害賠償の関係を、規約でどう扱うかを決めます。重複する部分を調整する方針を書いておくと、事故後の説明がしやすくなります。
事故の報告義務と記録:誰が、何を、いつまでに
事故が起きたときの報告の流れと記録の保存は、保険の請求にも、関係者間の責任の整理にも直結します。契約書には、報告の内容、期限、宛先、記録の保存の方法を具体的に書きます。
事故後の流れ(書き方の例・一般的な例)
- 発生直後安全確保と通報負傷者の保護と救護、救急・警察・消防への連絡、危険の除去、現場の保存。
- すぐ主催者への第一報事故の日時、場所、内容、負傷者の状況、行った対応を、決めた連絡手段で伝える。
- 遅滞なく保険会社への通知各当事者が自己の保険会社へ事故の通知を行い(保険法14条)、通知した旨を主催者へ報告する。
- その後書面での報告経過、原因、対応の内容、関係者の氏名と連絡先、写真・動画・記録の所在を、書面でまとめる。
- 保存期間記録の保存運行記録、参加者名簿、同意書、保険証券、連絡の履歴などを、契約書で定める期間保存する。
報告の様式を別紙で用意しておくと、現場の担当者が記入するだけで、必要な事項が揃います。
参加者の個人情報を保険会社や医療機関、関係機関へ提供する場面もあります。個人情報の保護に関する法律27条は、個人情報取扱事業者が個人データを第三者に提供する場合には、法令に基づく場合や人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって本人の同意を得ることが困難であるときなどを除き、あらかじめ本人の同意を得なければならないと定めています。参加申込みの段階で、事故の際に保険会社や医療機関へ必要な情報を提供することがある旨を示し、同意を得ておくと、緊急時の対応が円滑になります。
起きがちなこと:保険と賠償の整理でつまずきやすい場面
起きがちなこと(一般的な例)
- 「保険に加入する」とだけ書いてあり、誰がどの保険に加入しているのか分からないまま当日を迎え、事故の後に未加入だったことが分かった。
- 主催者の保険は、運営会社が起こした事故を対象外としており、運営会社も自社の保険がなく、補償の空白ができた。
- 被害者と主催者が、保険会社に連絡しないまま示談を進め、保険金が支払われなくなった。
- 参加者向けの傷害保険の案内を募集要項に書いたが、参加者が確認した記録がなく、事故後に「聞いていない」と主張された。
- 賠償額の上限を保険金額に連動させたが、保険の免責金額や対象外の事由を確かめておらず、上限額が実態と合わなかった。
- 出店者が提供した飲食物による体調不良が発生したが、出店者の保険の対象が限定的で、主催者が対応に追われた。
保険は、契約書と並べて見ないと、役割が見えません。契約書を作るときは、保険証券と約款を手元に置き、補償の範囲と契約書の責任の定めを並べて、空白がないかを一つずつ確かめる作業が、事故後の混乱を最小限にします。契約全体の整理は契約の連鎖のページ、責任主体の判断の考え方は主催者と見られる事情のページで扱っています。
よくあるご質問
イベント保険に入っていれば、事故の責任は主催者にはなくなりますか。
なくなりません。保険は賠償の負担を補う仕組みであり、責任そのものを否定するものではありません。保険金が支払われる範囲は、約款の免責の事由、保険金額の上限、免責金額で決まります。保険が支払われない部分や上限を超える部分は、契約上の責任と民法の原則に従って、当事者が負担することになります。
賠償額の上限を置いても、故意や重大な過失があれば上限は使えませんか。
一般には、故意または重大な過失による損害には上限を適用しないとするのが基本です。消費者との契約では、消費者契約法8条1項1号・2号が、責任の全部を免除する条項や、故意・重大な過失による責任の一部を免除する条項を無効としています。事業者間の契約でも、同様の例外を置くのが通例で、人の生命・身体に対する損害も上限の対象から外すことが多いです。
事故のあと、被害者と直接示談をしてもよいですか。
保険を使う予定がある場合は、先に保険会社へ連絡し、承諾を得てから進めるのが基本です。保険法22条2項は、責任保険契約の被保険者が保険給付を請求できるのは、損害賠償請求権に係る債務について弁済をした金額または賠償請求権を有する者の承諾があった金額の限度に限られる旨を定めています。約款には示談や賠償金の支払に保険会社の同意を求める定めが置かれていることが多く、保険会社の関与なく責任を認めたり、金銭を支払ったりすると、保険金が支払われないおそれがあります。
出店者に保険の加入を求めるのは、どのような理由からですか。
出店者の提供する飲食物や商品が原因で来場者に損害が出た場合、出店者が責任を負う可能性があります。製造物責任法3条は、製造業者等が、その製造、加工、輸入または氏名等の表示をした製造物の欠陥により他人の生命、身体または財産を侵害したときの賠償責任を定めています。出店者の保険があれば、主催者への請求や、主催者の対応の負担が軽くなります。出店契約には、加入の対象と、証明書面の提出時期を書きます。
参加者に保険の加入を案内したのに、加入しなかった参加者がけがをしたら、主催者の責任は軽くなりますか。
一概には言えません。民法418条や722条2項は、被害者に過失があった場合に賠償額を調整する考え方を示していますが、保険に加入しなかったこと自体がどの程度考慮されるかは、事故の状況や案内の内容によります。主催者に事故の原因となる過失があれば、保険の加入の有無にかかわらず責任が問われ得ます。案内の事実と本人の確認を記録として残すことが、後の説明の土台になります。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、契約の内容や運営の仕組みによって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務でよく見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 観光庁 / 消費者庁 / 気象庁